第8章 関ジャニ∞:渋谷すばる
会社内がいつもよりざわつく。
いつもは程よい格好なのに、
今日に限ってはバッチリ決めて
メイクもいつもより濃い目。
「はいいわよね
元が可愛いからさ、羨ましい」
「そんなことないよ。
真由だって美人じゃない」
「…皮肉だわ、皮肉。」
そう。
今日は特別な日(皆にとっては)
「関ジャニ∞が来るなんて
かなり気合い入るわよねッ!!」
「いつも入れててくださいな」
私の勤める企画会社は、
舞台や商品開発から
イベントやLIVEの企画まで
様々なモノをプロデュースする会社で
その縁あってなのか、
社長と関ジャニ∞さんで
CM作りで携わる事になり
今回、取材や打ち合わせで
会社に来るということらしい。
何も部署に来るわけじゃないし、
気合い入れることもないんだけどなあ…
なんて。
1人、廊下を歩いていると
「ちゃんだあっ!」
明るく無邪気な声に、
振り返ってみるとそこには
嵐の相葉くんと櫻井くんの姿。
コンサート企画関係で、
私が担当することになり
それでたまに会社に立ち寄ってくれる
「すごい重そうな書類だねえ。」
「はは、これ全てコンサート企画です」
「まじかあ。俺らのせいか!」
「持つよ、貸して!」
と有無言わさず奪い取られ、
手元には一枚も書類がない
「相葉さん、さすが」
「うっわ、前が見えねえ」
「嘘つき。」
あはは。って
相葉さんは笑いながら、
どこ持ってけばいいの?って。
男前すぎです。