第8章 関ジャニ∞:渋谷すばる
「あー、喉イカれた」
「なにしてんの〜!
ボーカル渋やんだけなんやでぇ?」
「散々、昨日歌わしたん、
確かヤスやなかったっけ?」
「それ言うたらあかんやつぅ」
へ?とか、
変なとこで天然な村上。
今日は喉休めということで、
俺は演奏を聞いてアドバイスする
いわゆる監督役となった
「そや。忘れとった
今日な、新メンバー呼んでてん
もうすぐ来るはずやで」
リーダー的役割の村上が
腕時計をチラチラと気にしている。
がちゃ、ドアが開き
みんなの視線はドアへと向く
「遅くなりました!
と申します!」
にこ、と素敵な笑顔
かなり息切れしとるから
急いできたんやろな
「ええで、しゃーない。
今日はボーカルしてもらいたいねんけど」
「大丈夫です!」
そう言い、ギターをおろして
スタスタと
スタンドマイク前に立つ
メンバーも定位置につく
「どっからする?」
「Aからでええで。
その方が入りやすいやろ」
「せやな。
ほんなら、ヤス!
Bから1、2、3、で入んで!」
「おん!わかった」
メトロノームに合わせ、
それぞれパートごとに
弾き始める。
「……〜〜♩
〜♩〜〜♩」
そして歌い始める彼女の声は、
なんか、初めて聞くような声で
透き通っていて綺麗で…。
つまり聞き惚れてしまった。