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Ifの物語。

第5章 嵐:二宮和也






一般人の私には、



到底、彼の職業のすべてを
理解なんかできない


ましてや、テレビだからって



綺麗な方にナンパ紛いな事を
する気持ちだって理解なんかできない





要するに、ヤキモチなんだ。




「俺にはどうしようもねえな」



参ったな、こりゃ、って


あははって笑いながら言う。




「帰りますね、撮影、
長引いてるみたいですし」


「そうだね。もう10時まわったし
気をつけて帰んなよ?」



小さく手を振る大野さんに


一礼して楽屋を出た。






結局、何しに来たんだ。



二宮くんに会えなくて、
寂しさ増しただけじゃない





もう、やだな。


醜い嫉妬ばかりが、
寂しさと同時に溢れて。



ぎゅっと苦しくなる。







『ねーえ、いいでしょ?』
「いや、今日は…。」
『いいじゃない、ね?』
「用事があるんで」




知ってる、だから大丈夫。



笑って誤魔化せる。






黙って、知らないふりすれば。




それでいいんだ。うん、完璧。












どんっ、



「……った…、
あれ、ちゃん」



「…っ、しょ、さんっ…」





涙声の私に驚いて、


翔さんは私を
誰もいない会議室へ引っ張った。








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