第2章 プロローグ
隊長が去ってから数分後、静かになったこの部屋にまた来客が来た。
「もう眠ってしまったかな?」
静かな部屋によく通る低い声 嫌でも重く感じるこの霊圧
「藍染副隊長ですか。どうされました?」
私は襖も開けずに答えた。
「いや、なんでもないんだ。ただ・・・」
「ただ?」
「最近のかぐや姫の夢はどうかと思ってね。」
私は副隊長の妙に引っ掛けてくる言い方に少しカチンときて、あざ笑うように言い返した。
「青々とした竹林の、なんとも素敵な夢ですよ。」
すると襖の向こうからは「そうか。」という返事一言と笑い声が聞こえただけで、感じていた霊圧は消えていった。
私はこのあと、なぜここで藍染とこの部屋に留めておかなかったのか、と激しく後悔をすることになる。
なぜならこの日から
私が平子隊長やひよりん達と笑い合える日々は
もう、
来なくなってしまったのだから・・・