第4章 チカラ
時々こんな夢を見る。私と母様とのやり取り。
「あなたは何故そんなに強調性がないのですか?」
母様は私のことを「朝霞」と名前で読んでくれたことはない。
いつも、あなた。。ただ、それだけ。
「…剣の稽古をして参ります。 」
「待ちなさいっ!!」
いつも剣の稽古へ逃げていた。その師匠「羽純雅俊」だけは私を大切に思ってくれた。
「師匠。お体はどうですか?」
「うむ。まぁまぁだ。今日は調子がいい…剣の稽古をしようか。」
「いいえ。剣の稽古を見てくださればいいです。」
師匠は病にかかっていた。
一ヶ月後師匠は死んだ。私の逃げ場は無くなった。
「あなたには社交性が無さすぎます、、もっと話の幅を広げなさい。」
「はい。ご指導有り難うございます。」
十八になるまで家からは一歩も出られないんだから。必要ないのに…
こんなことを毎日思っていた