第8章 アジア支部にて
「リラン!?いきなり
なんですか!?」
「アレン、何で私にも敬語なの?
同い年なんだから普通に話してよ!」
アレンが驚いた顔から
困った顔になった。
「いや、その...癖なんです」
「フォーにはタメじゃない!」
「それは...その人間じゃないからというか」
「ア~レ~ン~!」
私に詰め寄られるアレンを見て、
フォーがクスクス笑う。
私はアレンを至近距離で睨んだ。
「ああ、もう分かったよ!
敬語じゃないよう気を付ける!」
根負けしたアレンが
手を上げて言い、私は引き下がった。
誰からともなく笑い出す。
と、フォーが気付いたように私を見た。
「そういえば、リランお前、
ウォーカー迎えに来たんじゃねーのか?」
「あ、まあそうだよ」
「じゃあ、そろそろ行けよ」
そう言って背中を押すフォーに
私は笑いかけた。
「ありがとう。またね、フォー」
「また今度、機会があったら
会いに来るよ」
「ああ。いつでも来いよ」
フォーと別れて、
アレンと2人歩き出す。
ゲートの前には全員揃っていた。
「やっと来たさー」
「アレンくん、リラン!
本部に帰りましょ」
ラビとリナリーが手を振る。
私達はバクさん達アジア支部のみんなに
お礼と別れの挨拶をして
ゲートから本部へ戻った。