第7章 過去
~ラビサイド~
大泣きするリランの背中を
さすりながら、
オレは複雑な心境だった。
仲間で、家族...。
オレは違う。
オレはただのブックマンの後継者だ。
なぜリランを慰めているんだ。
でも、この少女を元気付けたかった。
そして、
咄嗟に出た言葉はこれしかなかった。
心の中でそっと呟く。
ー オレは、たまたま側に
いるだけの人間さ。
リランの憧れてるみんなとの
絆に、オレは含まれちゃダメなんさ。
ごめんな...。
リランが少しずつ泣き止んだ頃に
この部屋へ来た本来の目的を思い出す。
「少し顔洗ってくるといいさ。
そしたらメシ行くさー。」
リランの顔はぐちゃぐちゃだったけど、
コクンと頷いた仕草が
小動物みたいで
めちゃめちゃ可愛かった。