第28章 これから、君と
「ラビ、初任務の後に泣いてた私に
掛けてくれた言葉、覚えてる?」
「へ?」
突然、そんなことを言い出すリラン。
「大事な仲間で、家族だって。
生きてることを誇れって言ってくれたでしょ?」
「そ、そんなこと言ったっけ.......」
本当は一言一句覚えてるけど、
なんだか気恥ずかしいから頬をかく。
でも、リランは優しい表情で笑った。
「あの言葉に、私は助けられたよ。
ううん、それだけじゃない。
私が壊れそうになるたびに...
ラビが支えてくれた。
だから...今の言葉、すごく嬉しい」
そんなに助けれていたのだろうか。
オレは、全然.......。
むしろ、
「リランがオレの為に泣いてくれたとき、
オレだって救われた気分だったさ」
「え?」
「ブックマンに、感情は必要ない。
それが鉄則なのに、オレは.......。
でも、リランはオレと、あいつらとの
架け橋になってくれる。
ずっと孤独だったオレの、居場所を作ってくれた」
リランにはオレが必要で、
オレにはリランが必要で。
リランの隣がオレの居場所だから。
ブックマンの使命でどこにいても、誰といても、
リランの隣ならただの『ラビ』でいられるから。
リランを求めるのはいけないことか?
それでもオレは.......。