第27章 君の傍に
~ラビサイド~
あれからまた1週間が過ぎた。
今日は、コムイに言われて
新たな任務に向かっていた。
「会って欲しいサポーター?」
「ああ、ぜひに、ということでね」
「何でサポーターがオレを?」
「さあ、でもアレンくんと神田くんもだよ」
首を傾げつつ、指定の店へ入る。
店内をざっと見回すと、カフェらしい。
アレンと神田の姿を探す。
「ラビ~!こっちですよ!」
「おうアレン!久しぶり!」
声のする方を向けば、
大量のパフェを前にして、
口にクリームを付けたアレンが
大きく手を振っていた。
「ユウは?」
「神田ならまだですよー。
あ、でもモグモグ...もうすぐ到着する
って言ってました。」
「ふーん。オレ1つもーらいっ」
美味しそうなチョコパフェを頬張る。
「うーん、美味い!」
「あー!!!駄目ですよ、全部僕のなんですから!」
「また頼めばいいだろー?
つかアレン、オレのクッキー
食べたことあったじゃん!
おあいこさ―♪」
久しぶりの言い合いを、
とても懐かしく思いながら
パフェを食べた。
店の鈴が鳴る音がして、
何気なく見ると、ちょうど神田だ。
「おーいユウー!ここここ!」
「てめぇ名前で呼ぶなッ!!!」
美形の神田から発せられた声が男のもので、
しかも大分乱暴だった為に
店内の視線が集中した。
隣へ来た神田にヒソヒソ話し掛ける。
「ユウ、あんま大きい声出すなって。
目立つさー」
「その口どうしてやろうか。あ"あ?」
「ごめんなさいぃ、【六幻】は駄目さ!
絶対駄目!!!」
口元に【六幻】を突きつけられ、
あっさり降参した。
「お待たせしました。
初めまして、エクソシスト様方。
私は、サポーターの...」
「ストライク!!!」
突然聞こえた声に驚いてそっちを
見たら、とんでもない美女がいた。
「ラビ、うるさいです。
初めまして、アレン・ウォーカーです」
「神田だ」
「ラ、ラビっす。よろしく!!」
美女は、にこっと微笑んだ。
「早速で申し訳ないのですが、
私の店の方へ移動しても?」
「構いません」
アレンが数秒でパフェを平らげ、
会計を済ませる。
凄まじいスピードと胃袋だ。
― オレ、寄生型じゃなくて良かった...