第24章 クリスマス
「教団にいるやつは、死ぬことを覚悟で生きてる。
誇りすら持ってる奴もいるさ。
そいつらが自分の信じたように戦って
死んだのに、それを悲しい死なんて言ったら
死んだ奴らが浮かばれねぇさ」
それでもリランは抵抗する素振りを見せる。
「感謝するんさ。
世界の為に生きてくれて、ありがとうって。
後はその死をムダにしないよう、
生かすも殺すもオレ達次第さ」
そうやって進まなければ、
伯爵には勝てない。
そこまで言い聞かせて、
リランはようやく笑顔を浮かべた。
会場に戻り、手を差し出した。
首を傾げるリランに、オレは
悪戯っぽくウィンクしてみせる。
「お嬢さん、踊っていただけますか?」
実は、アレンがリランを誘って踊っていたのは
気付いていた。
密かに悔しかったのだ。
「ふふ....喜んでお相手します」
そう言って微笑うリランは、
今まで一番いい笑顔だったと思う。
幸せの一時、
ノアの一族が恐ろしい計画を
立てているとは露とも思わず、
聖夜は更けていった。