第5章 初任務
司令室へ行くと、
アレンもいた。
「お、来たねー。
リランの初任務だよ♪」
コムイさんが笑みを
浮かべて手を大きく広げた。
そして、ニコニコと
「でも、今回の任務は
イノセンスの回収じゃないんだ。」
ー サラッと言ってくれたけど...
エクソシストの仕事は
イノセンスの回収だよね?
「え?コムイさん、
それどういうことですか?
僕らは一体....」
アレンも同じことを思った
ようで、質問をした。
「まあまあ、聞いてよ。
イタリアの南東部に、
アクマが大量にいるらしいんだ。
調査に向かったファインダーが、
1人残らず殺されてしまって、
詳しいことはまだ分からない。
イノセンスがあるかどうかも、ね。」
コムイさんが
悲しそうな顔で言った。
「1人残らずですか...??
どうして、そんな...」
私はショックを受けた。
さっき、その話があった
ばかりだ。
「君達の任務は、アクマの討伐。
出来ることなら、なぜ
たくさん集まっているのか
情報を集めてくれると助かるよ。」
ー アクマを.......。
死んだファインダーのみんなの、
敵討ち...になるかな?
復讐か..........。
してやりたい顔がたくさん浮かぶ。
「全部オレ達3人で?
何体くらいいるんさ?」
ラビの質問に我に返る。
過去に浸ってる場合じゃない、
と思い直して
コムイさんを見た。
「全部で、100は超えているかな。
3人じゃないよ、神田くんも
向かってくれてるからね」
「げっ!?神田ですか!?」
100という数字に驚いて
3人じゃないことに安心して、
アレンの反応に驚いた。
ー 私、なんかいちいち
バカみたいだな.......。
と思いつつ、
「神田?ってその人も
エクソシストですか?」
神田という人について
聞いてみた。
ー アレンは嫌いなのかな?
げっ、とか言ってたし。
「ユウはめっちゃ強いんさ!
ユウがいるんなら安心さー!」
ラビがのんきに笑う。
神田ユウ、って名前のようだ。
強い人ならさらに安心。
私が胸を撫で下ろすと、
アレンは心底嫌そうな顔をした。