第22章 本当の家族
「...ただいま」
ニヘラ、と照れ笑いをした途端、
ゲートの前に集まったみんなは
それぞれ一瞬ポカンとした。
「..........リラン...」
リナリーが、おずおずと手を伸ばしてくる。
私はその手をそっと掴んだ。
「ただいま、リナリー」
言い終わる前に、視界がぐるりと回る。
一瞬の浮遊感ののち、
私は床に尻餅をついていた。
「無事でっ...良かった...!」
私にしがみついて震えるリナリーを、
そっと抱き締め返す。
「心配かけてごめん...みんなも」
周りを見回すと、科学班の面々は
男泣きをしていた。
ジョニーは大泣きしているけれど。
アレンが、私の前まできて
膝をついた。
「本当に...無事で...良かった。
心配したよ」
「ありがとう、アレン」
銀灰色の瞳に、微かに涙を滲ませて、
アレンが私の頭を撫でる。
ふと、その後ろに誰かが立った。
アレンが脇にどき、リナリーが私からそっと離れた。
「コムイさん...」
ベレー帽を外し、アレンと同じように
膝をつく。
「お帰り」
「ただいま...」
視界が涙でぼやけた。
すると、コムイさんが右手を伸ばして、
私の頭を自分の左肩に当てる形で私を
抱き締めた。
「...頑張ったね」
「..........うん」
ポタポタと、床に涙が落ちる。
「僕らは、家族だよ。
かけがえのない、大切な存在だ。
僕らは君を守るし、
僕らを守って欲しい」
「うん」
即答したら、コムイさんは笑顔で立ち上がった。
「ありがとう、リラン」
私も、立ち上がる。
肩に手が置かれた。
ラ「言い忘れてたさ。
お帰り、リラン」
ア「お帰り、リラン!」
リ「お帰りなさい!」
神「...........おかえ......何でもない」
「「「「おかえり」」」」
大好きな家族。
大好きなホーム。
ここが、私の居場所だから。
とびっきりの笑顔で答えるんだ!
「ただいま!!!」
私の家族に、愛を込めて