第18章 歌姫
「怖かった...。
私、どうなるかなぁ...」
思わず呟くと、リナリーに頭を
撫でられた。
「大丈夫よ、ひどいことは
絶対に兄さんがさせないわ」
「...コムイさん、何だかんだ私達のことを
守ってくれてるんだよね」
あの優しい目を思い出して、
胸が痛む。
― 家族に思って欲しい、
何て言いながら...。
私は心からみんなのことを家族だと
思えてない..............
こんなに守ってくれてるのだ。
その思いに報わなければ。
「.......私、調べてもらうよ」
意を決して顔をあげると、
3人は驚いた顔をした。
「え、何言って.....」
「謎を解明すれば、千年伯爵に
勝てる日が近付くかもしれないもん。
すごい力が私にあるなら、
私はそれを使いたい!」
3人は絶句している。
確かにそうかもしれないけど...と
渋い顔をするみんなに、
私は笑いかけた。
「辛くなったら、みんなを頼るからね!」
途端、全員に苦笑が浮かんだ。
「そんなの当たり前じゃない!
私も一緒に頑張るわ、リラン!」
「いつでも頼ればいいさ。
相談してくれれば、力になるからな!」
「僕も一緒だよ。頑張ろう」
呆れたように言いながら、
手を取り合う。
「よーしっ!頑張ろう!」
「「「「おーーー!」」」」
謎のエールをして、
結局司令室に逆戻りをしたのであった(笑)