第12章 はじめまして!
それから、2日後のこと。
司令室に再び呼び出された私は、
叫んだ。
「えええええ!?
元帥、もう旅立っちゃったんですか!?」
クロス元帥は、いつの間にか
本部から去っていた。
「ああ、僕らもさっき気付いたところなんだ。」
コムイさんは、呆れ果てた顔で
言う。
「ま、まだ何にも話してないのに...!!」
この2日、元帥を追いかけては
すげなく追い払われたのだ。
ー そのうえ、何も言わずに
旅立った.......!?
ショックが隠せない。
ふらふらあとずさり、
ソファーの背もたれに掴まる。
後から司令室に入ってきた
アレンも、深々とため息をついた。
「師匠...一体何をしたいのか...」
大丈夫?と2人に気遣われ、
私はなんとか真っ直ぐ立つ。
「師匠...せめて弟子に一言くらい...」
ずーんと暗い私に、
アレンが苦笑した。
「悪い人じゃないんだよ。
悪魔ではあるけど」
「それ、フォローになってない...」
アレンの言葉に吹き出した。
少し心が軽くなる。
「今日は、嬉しいことがあるよ」
コムイさんが書類を手に、
楽しそうに言った。
「嬉しいこと?」
私が聞き返すと、
リナリーがコーヒーをお盆にのせて
やってきた。
「ミランダとクロウリーが帰って
くるのよ。」
良い香りのコーヒーを
私とアレンに差し出し、
嬉しそうに笑う。
「えっ!?ミランダさんとクロウリーが?
今回の任務は長かったですね!」
アレンが驚いてから微笑む。
「リランは初めて会うよね?
2人とも、良い人だよ!」
長い任務から帰ってくる、
会ったことのないエクソシストのようだ。
ー エクソシストは、アレンと...
リナリーと神田、ラビしか...
あ、あと師匠としか会ったことない!
どんな人かなぁ♪
私も今から楽しくなってきた。
「あ、着いたみたいだ。
今こっちに向かってるよ」
コムイさんが、にっこり笑う。