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孤独を無くしたい 【D.Gray-man】

第11章 元帥との思い出?


笑っていたら、
柔らかい表情で私を見る元帥に気付いた。

「何ですか?私の顔に、何かついてます?」

近寄って聞くと、
元帥の手が頬に添えられた。

指が、優しく頬を撫でる。

驚く私に、元帥が微笑んだ。



「.......笑えるように、なったんだな」



涙が込み上げる。
私は、泣きながら頷いた。


「それに、美人になった。」

付け足された言葉に、
私は苦笑する。


「元帥を誘えるような女になりました?」

「.......ああ、そうだな」


背後で、ラビ達が騒ぎ出した。

「元帥~~!」

「ちょっと師匠ぉ!?リランに
 手を出さないでくださいよ!」

元帥は全く意に介さない。

「頑張れよ」

「はいっ」

その言葉と共に手が離れる。

と、今度は全身が温かく包み込まれた。


首に、後ろから腕が回されていた。


「えっ.......ら、ラビ!?」

腕の主を見て、すっとんきょうな声をあげる。
ラビの拗ねたような顔が
すぐ近くにあってドキドキした。

そのまま後ろに引かれて、

「うわっ!?っとと、え?」

よろめいてから、なんとかしっかり立つ。
みんなは元帥とギャーギャー言い合ってて、
私とラビの様子に気付いていない。

「ラビ?どうしたの?」

回された腕に手を当てて聞く。
見上げると、ラビは無言で
私を見つめていた。


ふいに、ラビが離れた。

向き直ってラビを見つめる。

いつも飄々としていて
感情が読みづらいラビの瞳に、
様々な感情が渦巻いている気がした。
でも翡翠色の瞳の奥を覗こうと
目をこらしたとき、
ラビの視線は逸らされてしまった。

その視線を追って振り返ると、
そこには ――――。


「あっ!お久しぶりです、ブックマン!」

真っ先にアレンが声をあげた。
続いてリナリーがブックマンに
挨拶する。

私も、ブックマンに会釈して
またラビを見上げた。

ラビは、口元に笑みを浮かべて
ブックマンを見ている。

私を見下ろしたラビの瞳には、
もう感情の渦は無かった。

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