第10章 再会
赤くて長い髪を下ろしたままで、
顔の半分を仮面で隠した男がいた。
ー 懐かしいな...おじさん、何も変わってない。
しかし本人は、
「あ?ん~??お前、まさかあんときのガキか?」
私の顔をまじまじと見て、
特に驚いた様子もなくそう言った。
「何で仮面のおじさんがここに...?
って、元帥!?」
「え.......えええええ!?
リラン、師匠を知ってるんですか!?」
「何で知ってるんさー!?」
アレンとラビがおじさんを指差して叫んだ。
「1年くらい前に、2、3週間お世話になって...。」
そこまで言って、私はおじさんを見上げた。
「おじさん、元帥ってどういうことですか??」
おじさんは頭をガシガシかいて、
「あー、説明すんのめんどくせぇ。
室長のとこ行くぞ。
おい、バカ弟子共。
お前らもついてこい。」
疑問符だらけの私達を引き連れて、
おじさんは司令室に入った。
「やあ...あれ?.......え?
ク、クロス元帥!?」
コムイさんが手をあげて
挨拶しかけ、固まった。
二度見し、心底驚いたと言わんばかりの
大声をあげる。
「元帥!!どうして教団に!?
行方不明って聞いてましたけど!?
ていうかどうやって気付かれずに
入ってきたんですか!?」
リナリーは、お盆を手にしたまま
ポカーンとしている。
ついでに科学班の視線を
一身に浴びつつ、おじさん...元帥は
全く動じていない。
「事情が変わったんだよ。」
元帥はそう言うとソファーに
どっかり座った。
リナリーは慌ててコーヒーを
淹れに行く。
ー え、おじさんって元帥なのに、
教団にいるのが珍しいの!?
私は急いで元帥の前に
膝をつき、その顔を見上げた。
「おじ...元帥!説明してください!」
「ええ!?リラン、元帥と知り合いなのかい!?」
「ええええ!?そうなの、リラン!?」
リー兄妹に叫ばれ、
元帥は親指でアレン達を指差した。
「先にあっちに説明してやれ」
「はあ.....はい、分かりました」
私は頷くと、立ち上がってみんなを振り返った。
「えーと、私と元帥が出会ったのは、
ネイが死んですぐのことなの」