• テキストサイズ

片思いの終わらせ方

第6章 その6.深入りしてはいけません











「…お、大野さんっ!」


急いでラウンジを出て、校舎の出口の方へ走ったら運良く大野さんを見つけられた。名前に反応した大野さんが不思議そうに私を見る。





「あれ、どうした。」



どうした…どうしたんでしょう。
二宮先輩から背中を押され、勢い良く出てきたものの…







「あ!大野さん、これあげます。」




ポケットにあるそいつを思い出した。






「…ジャムぱん?」

「はい。それ元気の出る味するんです!」



元気の出る味?と首をかしげる大野さんが少し笑って、私を見る。





「…元気、ない?俺。」



いつものように柔らかい顔なのに、悲しそうな目に私じゃ何も出来ないのか、と切なくなる。

私が大野さんの元気になれたら、そう思った。








/ 170ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp