第6章 その6.深入りしてはいけません
『 に関係ないから。 』
その言葉が頭をループし続けて何日経ったのだろう。あれから一度も大野さんには会っていない。
「、ってば、」
有稀が私の目の前で手を何度も左右に動かす。
「あ、ご、ごめん。どうした?」
「・・・どうしたは、こっちのセリフ。」
はは、だよね、と笑ってみせた。
「大野さん?」
「うん、まあ、そんなとこです。」
「独りで考えちゃって。らしくない。」
有稀さん、私らしいって一体?
はてなマークを頭に浮かべていると
私に任せなさい、
そう言った有稀が右の広角だけ釣り上げて妖美に笑う。
やっぱり、美人て怖い。