• テキストサイズ

片思いの終わらせ方

第3章 その3.素直に信じてはいけません







「先輩…私、大野さんのために何か出来ることはないんでしょうか。」




「クッ…あ、ああ、うん、が笑わせてやりなよ。もうしつこく付きまとって1人でいられる時間とかなくせばいいじゃん。」




そっか、今はダメでも、もしダメになったとしても大野さんが辛い方が私は嫌だ。






「…私、諦めません。勝ち目なんてないかもしれませんが、今は大野さんが寂しくないように頑張ってみます。」



また馬鹿にされると思ったけど、眉を下げて呆れたような、優しい顔をされた。






「ん、頑張れ。」

「…なんで、先輩嬉しそうなんですか。」

「え?そう?嬉しそう?」



んふふ、と両手で口を押さえる。
女子かって。そこらへんの女子より女子だって。



「ええ、嬉しそうってより楽しんでますね。」

「あはは、そうかも楽しいんだもん。
まあ、何かあったら頼りなさいよ。
俺がついてるなら無敵でしょ?」




ああ、何日か前の私なら、またこの顔に言葉にどきまぎしてたんだろうなあ。



「はい、先輩は敵じゃなかったら
だいぶ心強いです。」




先輩がまた嬉しそうに笑う。


適当だし、怪人二重面相だし、信用ないし
女好きだし、ぶりっ子だし、本当に嫌な人だけど

嫌いにはなれない。





一体どれが本当の先輩なんだろう。






/ 170ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp