第2章 その2.勘違いしてはいけません
「で、子猫ちゃんのお名前は?」
もう相葉さんの言う「子猫ちゃん」になんの違和感も感じない私はその質問に素直に答える。
「あ、です、でこちらは」
私は隣にいる有稀に目をやった。
「高城有稀です。」
有稀が透き通るような声で浅くお辞儀をすると、相葉さんが勢いよく有稀に飛びついた。
「有稀ちゃん!俺の子猫ちゃんになって!」
有稀は一度綺麗に微笑むと、
その誰もが見とれるような表情のまま
「相葉さんも二宮さんと同じで
どっかのネジがハズれてんでしょうねえ、
きっと。」
と冷たくいい払った。
笑顔のおかげでより一層その言葉が冷たさを帯びる。