第1章 その1.目で追いかけてはいけません
「、ほら2年生次体育だよ。」
2限目の授業が終わり次の準備をしていると、目の前の席に座る有稀(ゆき)が私を見てニヤニヤしている。
有稀の私をからかう様な顔より、目的の人が気になって、すかさず3階の教室からグラウンドに目をやった。
校舎からぞろぞろと出てくる様々なジャージを身に付けた生徒たち。その中に先輩の姿を見つける。
今日も相変わらず格好いいです。
時折、柔らかそうな少し茶色い髪の毛が風でふわりとなびく。いつもの4人と楽しそうに笑う顔。
今日も相変わらず可愛いです。
そうです、私
二宮先輩に恋してます。