ブラックラブ!after and another story
第4章 想いよ、永遠となれ。~玲央ver.~
「ガデット・デ・ロア?」
私が聞き返すと、玲央さんはそうよ、と言って切り分けたパイを一切れ皿にのせ、私の前に置いた。
玲央「このホールパイの中に、当たりがはいっているのよ。コインが入っているの。ホールパイを切り分けて、食べたとき、コインが入っていると、幸運がやってくるっていうの。」
「へぇ…」
私は目の前に置かれたパイをじっとみた。
コインが入っているかないかは外見だけじゃ判断できない。玲央さんはこれをやりたかっんですね。
玲央「さっ、食べて。」
「はい、いただきます」
私がパイを一口食べる。バターのほんのりとした香りが鼻の中まですーっと通り、とても美味しいがコインはないようだ。私はそのまま、ガデット・デ・ロアを食べ続けた。
玲央「無いっぽいかしら?」
「…はい」
玲央「そ、そう…」
どんどんとしゅんとした表情になっていく玲央さん。私に運がないせいで…面白くなくなってきてるのかな汗 そりゃそうだよね。これで普通にパイ、美味しかった~だったらなんだかつまんない。だからと言ってどうすることもできない…あぁ~!コイン!でてきて!!
カリッ
祈った瞬間、口内で何か固くて小さいものがあるのに気がついた。
玲央「今ー…!?」
「は、はい。な、なんかあります」
私は飲み込まないようにと必死にコインらしき物を出した。コロンと皿の上に落ちたは確かに金色のコイン。
「わぁ…やったぁ!」
喜ぶ私に玲央さんはちょっと待って、と言った。