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End time and First time

第1章 可愛い君へ


ゆっくりと時間は進む
時計の針は刻を止めようとはしない
この世界に君は来た
だけど、もう触れていい君じゃない気がして
それでも待っていて待ち焦がれていた僕は…

-可愛い君へ-

「本当は全て、どうでもいいんです。あえてですよ。あえて…こうしてキングについていれば、どうにかできるそう思ったんです」

僕は君を目の前にして飄々とした態度で話し始めた
君は僕を見て、どう思うだろう
狂った世界
キングが作り上げた全て監視された崩壊寸前の世界
犯罪なんてものはない
安全も安全

だけど確かに君が言う通り狂っている
歪んだ世界だ

「僕は誰にも興味がありません。僕の目的が成し遂げられれば、それでいいんですよ。だから…」

ぐいっと手を引いて君を見る
なんて愛おしい
君の全てが妹に似ている
僕のものにしたい、してしまいたい
けれど、やはりここまで来て思う君は、似ているようで違う
全てが僕の計算違いだったようだ

「とりあえず、来てもらいますよ」

「離して!」

嫌そうに抵抗をする君
でも、連れて行かなければ一緒狂った世界でキングのものとなる運命
僕が好きな君が壊れていくのは見たくはない

見ている?
レイチェル
僕は、お兄ちゃんはこんなに素敵な人を見つけたよ
勿論、妹はいつまでも生き続ける
心の中で
心配しないで
レイチェルを忘れることはないよ

でも、この最愛の人を僕は守りたいから


ごめん
レイチェル
君は戻らない、戻れない
お兄ちゃんも会いたかった
けれど、それは間違っている
彼女に気づかされたよ

どうか、許してこんな無力な僕を

「私は…人を騙してまで、そういうことをしようする貴方が分からない!私、私は…レインにも幸せになってほしいの!だから間違った判断はやめて…」

「ははは。貴女は本当におかしな人ですねー」

結局、引っ張り連れてきて現代に帰れる装置に君を入れた時不思議そうな顔をしていた

馬鹿ですね本当に、貴方も僕も
もし、この世界じゃなくて元の平和な世界なら
思いを伝えられたでしょうか

「どうして…」

「どうしてでしょう、気が変わりました」

急いでボタンを押す僕
バタバタと聞こえる複数の足音
僕がこの世界を止める
だから

君は幸せに
花の残り香
まるで君がまだいるように香る

「さぁ、戦いの時間ですねー…」

こうして
時は終わり始まる
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