第1章 (=ワ=) 鈴木達央
今日は11月11日…
「あ!達央の誕生日だ!」
私は勢いよく立ち上がると階段を降りて、達央の居るリビングに向かった。
すると、達央が驚いた顔で私を見て近いた。
「何してんの!?りぃちゃん風邪ひいたんでしょ!ほら、ベットに戻って」
そう、達央が言うとヒョイっと私を持ち上げ、お姫様抱っこをした。
「だ、大丈夫だから!自分で戻るから…」
私は達央の胸を押すと彼は、私をギュッと抱き寄せた。
「っ、、!」
「いいから、いいから。病人は黙って運ばれ為さい!」
そう言うと彼はプンスカ怒りながら階段を上って私の部屋に向かう。
今、私は達央の胸の中で抱き絞められていて、達央の温もりが体全体に伝わる。
(あったかいなぁ…)
そう思っていると部屋に着いたらしく、達央がベットに私を置き布団をかけた。
「うん。これでよっしと、……りぃちゃん!あとは安静に寝てなよ?…心配なんだから」
あぁ、彼に心配させてしまったな…。本当に駄目だなぁ…。私。)
泣きそうな顔した私の顔を見た達央が頭に手を乗っけて撫でてくれた。
「ぅう…っ」
「何でりぃちゃんが泣きそうなんだよ…。まったく俺が泣きたい位なのに…、あんたが泣いたらどんな顔をしたら良いかわかんねーよ。」
「ごめんなさい…っ、」
「別に怒ってなんかないって。…ただ、これ以上心配させんなよ、って事。」
「…うん。」
「良い子だ。」
そう言うと彼は私の頭をポンポンとすると立ち上がり、部屋を出ようとドアの部に手をかける。
「達央…!」
「ん? どうした?」
「誕生日、おめでとう!」
「…!…そうか、そういえば俺の誕生日だったな。ありがとうな、りぃちゃん 」
彼は照れて嬉しそうに手を振った。
「うん!どういたしまして!」
こうして、大好きな彼の誕生日に一緒に過ごす事が出来て私はとても幸せだ。
~END~