第18章 オマケページちえ篇 秘かに

剛先輩が失恋したと聞いて少し嬉しかったけど、きっとすぐに彼女なんてできちゃうってそう思うと苦しかった。



｢ちえ、よくごおちゃんのこと聞くよね？好きなの？｣
｢えっ！ただのﾌｧﾝです！｣
いくら鈍感のももこ先輩でも、さすがに気づき始めたみたいで。私はとっさにそんな嘘をついた。
｢でも付き合いたくないとは思わないわけでしょ？｣
｢えぇ。まぁ…｣
｢紹介してあげよっか？｣
｢えっ!?いいです！ホントにいいですから…｣
｢なんだもったいないの。ちえ可愛いから絶対気に入られるのに。｣
そういうんじゃない。気に入られたいんじゃない。私という人間を、好きになってほしいだけ。
｢『うお～！ヤベ～！マジかわい～！』って言うよ。｣
｢今の剛先輩のマネですか？｣
｢似てるでしょ～。｣
｢全然。｣



もうすぐﾊﾞﾚﾝﾀｲﾝ。
そしてすぐ後に剛先輩の誕生日が来る。
私は気持ちを伝えるべきか、まだ迷っている。