第11章 邪魅事件発生
「ん?」
「いや、あはは、は」
もしかして、まだ汗の臭いが残ってて引かれたのかな?
いーやーっ
思わず腕の臭いを嗅いだ。
と、リクオ君が両手を振った。
「い、いや、なんでもないよ、それより、寝冷えしちゃうかもしれないから、部屋に……あっ!いたっ!」
「え?」
リクオ君が目を見開き、廊下の向こう側を指さす。
「あそこっ!」
「なにぃっ!?奴良君、どこだぁぁあっ!」
清継君は、きょろきょろ辺りを見回す。
私も思わず辺りを見回した。
すると、廊下の向こうに白いものが見える。
それと同時に背筋に冷たいものが走り抜けた。
あれが……
「邪魅!」