第3章 真樹斗の存在
ー梨沙sideー
梨沙
『ん…』
あれ…私、寝てたんだ…
梨沙
『あれ、圭太…?』
目が覚めた私は圭太が居ない事に気付き、起き上がろうとした。
だけど、それは誰かが私の腰に腕を廻していて、出来なかった。
梨沙
『…圭太!』
そっと後ろを向くと、圭太が寝息を立てながら眠っていた。
びっくりした私は一瞬固まってしまったけど、圭太の寝顔に思わず頬が緩んだ。
梨沙
(相変わらず、端正な顔立ちしてるなぁ…)
私は人差し指で圭太の頬を突いた。
梨沙
(わ…ぷにぷにだ…)
男の癖に、肌まで綺麗なのは、ちょっと悔しい。
梨沙
(まぁ、それは良いとして…)
梨沙
『私、なんで圭太に抱き締められてるんだろう…』