第2章 学校
菅「じゃあ、俺こっちだから。」
大「おう。また明日な」
菅「また明日ね。あかりちゃん」
貴「あ、はい。
旭「おれはあっちだから、また学校で、あかりちゃん。」
貴「はい。学校で・・・」
なんでわざわざ私にまで声をかけてくれるんだろう。
たった、一回。いとことして顔だししただけのわたしに。
心があったまっていくのがわかった。
固く固くかけた鍵が壊されそうになっていくのがわかった。
だめだ。だめだ。だめだ。
わたしはここにいてはいけない。
こんなに楽しくて、温かい空気に包まれちゃいけない。
弱い自分でいたくない。
独りで戦える強さが欲しい。
強い私でいたい。
そのためにかけた心の鍵を、
お願いだから、壊そうとしないでください大地さん。
・・・
そんなことを思っている反面。
優しく笑いかけてくれている大地さんをもっと見たい。
なんて思ったりもしてた気がするけど。
気づかないふりをして、もう一回鍵をかけなおしながら
大地さんとふたりきりで帰路についた。