第2章 *新しい学校での第一歩*
眠気と夏の暑さでイライラしている神無月。
そんな神無月を横目でチラチラと観察するかのように見てくる銀髪の青年。
(男にしては声が高いのぅ...それに体つきもまるで女じゃ)
彼女の声と体型に疑問を覚えながら制服のズボンのポケットに手を突っ込んで歩き続ける。
?「なぁお前さん。名前は?」
神無月「...名を聞くときはまず自分の名を名乗れって小学校で習わなかったか?」
仁王「おっと。俺としたことがすまんのぅ。
俺は" 仁王 雅治 "って言うなり。3年じゃよ
お前さんは?」
神無月「..華咲 神無月。お前と同じ3年。
名前は気が向いたら覚えといてやるよ」
" ふわぁ。 "と興味なさげに欠伸を一つ零す神無月
基本的に人の名前を覚えるのは苦手ではないが今は覚える気分じゃない。
彼女は相当な気分屋であり全て自分の気分次第で物事を進めるのだ。所謂" 猫系女子 "とゆうものだ。
仁王「なんじゃ。人が折角親切に道案内しちょるのに...名前くらい覚えといてくれてもえぇんじゃなか?」
神無月「" 気が向いたら "って言ったろ。
俺は今は眠いんだよ。外は暑いしで気がたってんだ」
唇を尖らせて拗ねる仁王に対し神無月は冷たく返す。
仁王「せっかちな奴じゃな。...ほれ。
ここが職員室じゃ。」
1つの扉にたどり着いた。
表紙には" 職員室 "と書かれている。
神無月「さんきゅ。銀髪くん。」
神無月は敢えて名前では呼ばずに別名で最後に述べて職員室の扉に手をかけようとしたその瞬間。
" ガシッ "
腕を掴まれたのだ。
神無月「...なに。」
仁王「銀髪くんじゃなくて仁王 雅治なり。
ちゃんと名前でいいんしゃい。」
神無月「チッ..めんどくせ...わーったわーった。
分かったから腕放せよ。仁王 雅治くん?」
腕を掴まれた神無月はさぞかしめんどくさそうに表情を歪めて彼の名を述べる。
仁王「それでえぇんじゃよ。」
満足気に微笑んで神無月の腕を離す仁王。
" 俺は教室に戻るなり。
またお前さんと会えるのを楽しみにしてるぜよ。 "
と告げればクルリと背を向けてゆったりとした足取りで教室へと帰っていった。