第8章 ねぇ遠藤くん
「はい…えっと…そうですね! たとえ悪い返事でも、今聞いたほうがスッキリするような気がします。聞きます!」
「私、遠藤くんと付き合いたい」
「へっ?」
「私、遠藤くんに好きって言われて嬉しかった。私も遠藤くんのことが好きだから」
沈黙…。
「ねぇ、付き合ってくれるんだよね?」
私は遠藤くんに確認する。
「あ、はい、もちろんです。っていうか…こんなシチュで言います? こんな、朝、いつも適当に歩いてる感じで?」
「めんどくさいなぁ…」
私の口から本音が漏れる。
「面倒くさいって…振られたんですか? 俺は」
「もぉ…。国語の成績だって私よりいいんだから、それぐらいわかるでしょ? 全部言わないとダメなの?」
「わからないです! 教えて…教えてください!」
遠藤くんが両手で私の二の腕をガシッとつかむ。
「ちょっと! 腕つかまないでよ、朝から」
「あ、ごめんなさい。朝じゃなかったらいいんですか?」
「だめ」
「え…。じゃあ何ならいいですか?」
「わかんない。自分で考えたら?」
「そんなぁ…」
だって、私もそんなのまだわかんない。
それは2人でこれから考えよう。
この先、私たちにはいっぱい時間があるんだから。
…