第10章 西谷 夕2
彩香side
試合が始まった
最初は、烏野の速攻が決まっていたけど、研磨の洞察力で、すぐに防がれてしまった
確かに接戦で、どの選手もすごかった
でも、私が目で追いかけていたのは、西谷くんだった
西谷くんと練習はしたことあるけど、試合を見たことがなかったから、思わずじっと見てしまった
西谷くんはすごく集中してるようで、シャットアウトされたボールもたくさん拾っている
繋がったボールが音駒のコートの床に当たり、烏野は得点した
私は呆然と西谷くんを見ていると、こっちを向いた西谷くんと目が合って、西谷くんはにっと笑った
その笑顔にドキッとしてしまった
その後は音駒がリードし、勝利した
何戦もしたけど、音駒の圧勝
そして、お別れが近づいていた