第6章 西谷 夕
~放課後~
西「じゃ、レシーブ見してくれ」
「う、うん」
私は西谷くんがだしてくれたボールをレシーブした
ボスッ
西「あー、形はできてんだけど、なんかこうスッと行って、さっとできるか?」
・・・スッと行って、さっ?
私は、分からずに、首をかしげると
西「悪ぃ、オレ教えるの下手で」
「そんなことないよ!分かったから」
意味はよく分からないけど、なんとなく分かった気がする
「もう一本!お願い!」
西「おう、いくぞ!」
私は、西谷くんが上げたボールをしっかりと中心でとらえ、レシーブした
ポンッ
さっきよりも、良い音を出しながら、ボールは西谷くんの所に戻った
「わ・・・・!!」
私はおもわず、声を上げてしまった
西「そうそう、そんな感じ!」
「うんっ‼」
その後、何回も練習して、10回中5回くらいきちんと返せるようになった
西「おしっ、今日はこのくらいにしとくか」
気づけば、もう暗くなっていた
「そうだね、教えてくれてありがとう!」
西「おー、じゃあまた明日な」
「うん・・・え?」
明日・・・も、一緒に練習できるの?
聞こうとしたが、西谷くんは、もう校門に向かって走っていた
私は、その後ろ姿に向かって叫んだ
「あ、明日もよろしくね!」
聞こえたのか聞こえなかったのか分からないが、西谷くんは、後ろを向いて手を振った