第14章 不器用な君
そんなとき
君は僕の手を掴む
なにも喋らずに
僕の手を自分のポケットにしまう
そして頭を静かに撫でる
赤になる信号機
君が
「アレ」
と山の方を指さす
僕は何かわからなくて
いままで下げてた顔を上にあげた
そしてなにもない先の光景に
「なにがあるの?」
って聞いたら
「あるわけないじゃん」
とイタズラに笑う
そと時はイラッとして
君をバシバシ叩いた
だけど
今冷静になって考えると
アレは僕が泣いてないか
確認するためだったんだね
君はいつも僕をふてくさせる
君はいつも僕を笑顔にする
そんなそんな
君を僕は
きっと世界で一番愛してる