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Lipstick

第4章 大人にしてよ


紗知は高校生になった。
健人も無事に大学生だ。

高校に入ってすぐ付き合った彼氏は
ヤンチャで不良と言われる団体の
リーダー格。
もちろん、紗知もそのグループに
当たり前のように入った。
みんな自分と同じような人、とは限らなかったが
気が合う仲間達だった。

メイクは濃いギャルメイクとなっていた。
過去の紗知とは考えられないほどだ。

周りからは「グレた」とか言われたが
別にどーでもよかった。



この日も、夜遊びの帰りだった。
「ただいま」
家に帰ると懐かしい男の人。

「…紗知?」

「陸さん?」

「お前…すごいかっこだな」

「別に、普通です」

「前に言ったろ?紗知はナチュラルメイクが
似合うって。
そのメイクなんだよ笑なんでも盛ったらいいって
もんじゃないぞ。紗知に濃いのは似合わない」

「別に陸さんに関係ない。
私がどんなメイクしようと勝手でしょ」

「こらっ紗知!!」

久々に聞いた怒りの交じる母の声。

「いや、間違ったこと言ってないよ。
……そうだな、どんなメイクしたって勝手だな。
ごめんな」

陸さんは寂しそうな表情を浮かべた。

「………」

私は何も言い返せなくなり
自分の部屋に逃げるように向かった。

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