第5章 部屋が・・・寒いです。
「晴華から見て
怪しくなかったの?」
「驚きはしたよ。でも
怪しいとは思わなかった。
トリップした瞬間を見ちゃったから。
それに、彼等悪い子達じゃないしね。」
ハッキリとそう告げれば
玲は少し考えて
ふと、彼等の方に向かった。
「とりあえず、言いたいことが
沢山あるけれど・・・
その前に自己紹介をするよ。
僕は笹倉玲。」
ニコリと微笑む玲。
あれ?これは意外にも
納得したのだろうか?
少し驚きながら
お互いの自己紹介を
眺めていると・・・
「ハッキリ言わせてもらえば
僕は君たちを怪しいと
思ってる。」
失礼、勘違いだったらしい。
思いっきり疑ってるじゃないか・・・
さらりと笑顔で言うから
怖さが増すのだ。
「君たちがここで
晴華と一緒に住んでるのも
納得がいってない。
晴華が許可してるから
許しているけれど・・・」
あれ、何故だろ。
また悪寒がする・・・
「晴華に迷惑かけたり
悲しい思いをさせたら
どうなるか分かってるよね?」
「こ、怖いっス・・・」
黄瀬くんがポツリと呟いた。
今、この状況を
天気で例えるなら吹雪。
凍りつく空気。
なんて、居心地が悪いんだ。
全員、顔を引きつらせている。
赤司くんは相変わらず
何を考えているのか
冷静な表情だけれど。
「分かりました。
っというより、はじめから
そのつもりです。」