第2章 フランケンシュタインの悲劇
「この・・・『狼男(ボス)×白猫』の本、良いね。
もっと描いてくれないか?出来れば、
もっと白猫が泣き叫んで陵辱される方が良いんだが・・・・」
「・・・・・・・・・え・・・・・・・・・・?」
モブリットは一瞬何を言われているのかわからなかった。
団長は今何て言った?
良い?
ダメとかではなく、もっと描け?
思考が停止しているモブリットを尻目に、
エルヴィンは本をパラパラ捲りあるページを開いて
モブリットへ向けた。
「この場面のナナシ・・・じゃなかった白猫は
実に良い表情をしている。
恥じらいながら私に・・・じゃなかった狼男(ボス)に、
『もっと』と強請る様は大変可愛らしい」
「・・・・・はぁ・・・・」
心無しエルヴィンの頬は少し紅潮していて、
嬉しそうだった。
「次の作品では白猫が発情期に入って淫乱になる・・・という設定は
どうだろうか?淫乱になってオスを誘いまくる白猫に
痺れを切らした狼男が『仕方なく』縛って部屋に監禁し、
発情期が終わるまで愛し合うというストーリーを
君はどう思う?」
「・・・・・・・・・・・・・」
縛って監禁した時点で、そこに愛があるのだろうか?
という疑問がモブリットの中で湧き上がったが、
真剣な顔で迫ってくる団長に口答え出来るはずもなく
「そう・・・ですね。それも愛の形の一種だとは思いますよ」と
曖昧に濁す。
「という訳で、続編を頼むよ」
ポンとモブリットの肩に手を置き笑顔を向けてくるエルヴィンに、
どうやって断ろうかと考えていると
「もしも私の頼みを断った場合、
ハンジと君がどうなるか・・・・わかっているね?」
と言われ、モブリットは半泣きしながら首を縦に振るしか無かった。