第1章 バイオレンス・オア・トリート
「はいはーい!順番に並んでね~。
でもお菓子が無い人にはお仕置きも無いからね~。
ちゃんと貢いでね~」
いつの間にか食堂に現れたハンジが、
ナナシとリヴァイのマネージャーとしてその場を仕切っていた。
魔女に扮したハンジは異常に似合っていて、
副長であるモブリットはフランケンシュタインの仮装で
半泣き状態でハンジに付き添っている。
「白猫様に直接お菓子を食べさせたければ、
ここにお金入れてってね~。機嫌が良ければ隙をついて頭を
ナデナデしても良いよ~」
ちゃっかり金まで稼いでいるハンジに
リヴァイは人を殺せそうな眼光で睨みつけていたが、
彼女はさらっと無視して客寄せを行っている。
潔癖症のリヴァイは誰かの手から直接お菓子を食べるという事はしないが、
ナナシはちゃんと手を洗った兵士からは「あーん」で
お菓子を食べていた。
「あの・・・頭ナデナデしても良いですか?」
「・・・・ちょっとなら」
美味しいお菓子をくれた兵士にはサービスまで行っている始末で、
リヴァイは「ハァァ」と溜息を吐くと貰ったお菓子の袋を開け
ナナシに差し出した。
「俺以外の男から食べさせてもらってんじゃねぇよ」
リヴァイの突然の行動に食堂にいた兵士達が雄叫びを上げた。