第1章 本編
俺にはやらなきゃならねぇ事がある。
そう、これは・・・戦争何だ!
─── 納豆コンビ ───
俺は、昼休みに入る鐘が鳴ると共に、教室から全力疾走で走り出す。何故かって?それは、戦争だから…俺にとってこの時間は、戦争なんだ。
「おばちゃん!いつもの!」
俺はぴょんぴょん跳ねながら、自己アピールをする。勿論、お目当ての物をゲットするために。
『向日君?今日はもう売り切れちゃったわよ?』
「Σ何で!?」
『今さっき、買って行った子がいてねぇ…』
どうやら、お目当ての物は既に売られてしまっていた。
「クソクソっ!一体誰なんだよ!?俺の納豆パン買って行った奴はっ!」
「私だけど?」
いきなり背後から声がした。俺は一瞬ビビって固まった。それから恐る恐る振り返ってみると、そこには隣のクラスの不二子がいた。
「不二子…ι」
「どうかした?w」
不二子はクスクス笑いながら、俺を見下ろす。
「不二子てめぇ!」
「きゃー岳人が追いかけてくるぅ~w」
俺は不二子を追い回す。勿論、お目当てを奪取するために。
「俺の納豆パン返せぇ~!」
「鬼さんこっちら♪手の鳴る方へぇ~♪」
無情にも、不二子は俺をドンドン置いていく。全く持って追いつけない。
「はぁ…はぁ…く、クソっ!」
「スタミナないなぁw屋上で待ってるよ~」
不二子は軽快に階段を駆け上がっていく。俺は限界寸前の脚を無理無理に上げ、登って行った。
「遅いよぉ~w」
「一体…何の真似だよ…?」
「ん~…ただの暇つぶしw」
俺とは対称に、不二子は楽しそうに笑っている。俺のスタミナが無さ過ぎるのか、不二子のスタミナが有りすぎるのか…
「つーか、不二子!俺の納豆パン返せよ!」
「368円になりま~す!w」
「…クソっ!」
俺は渋々お金を払う。
「不二子のせいで昼休みが台無しになったぜ…」
「まぁいいじゃん☆」
「はぁ…」
俺はため息をつきながらパンを食べ始める。すると、不二子は俺に向かってこんな事を言い出した。
「私さぁ…好きなんだよね…岳人が」
「Σ!?ゲホッ…ゲホッ…」