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戦国夢想(戦国無双3、戦国無双4)

第24章 嫉妬ストラテジスト(小早川隆景)




「あまり事を荒立てるな」

「えー?」

「小早川隆景があの女中を手放す筈がなかろう」

「なぁんだ、官兵衛殿聞いてたんだ…うん、そうだねー俺もそう思うよ」

「では何故あのような挑発をしたのだ」



毛利の屋敷を出た後、官兵衛と半兵衛はゆっくりと帰路を辿っていた。

官兵衛の問いに半兵衛はニヤリと笑って答えた。

「隆景さんのあの涼しい顔の裏にどんな感情が隠れてるのか、官兵衛殿は気にならない?」

「………」

「きっとすごーく激しい気持ちが隠れてると思うんだよねぇ…次に会うのが楽しみだなぁ!」

「折角の協定だ、誤解を招く様な言動は避けねばならぬ」

「大丈夫、わかってるって!あ、迎えの船来たみたい」


緊張感を微塵も感じさせない半兵衛を見て官兵衛は溜め息を溢した。




「今頃さ、愛を確認し合ってるんじゃない?」

「…はぁ、もうよい、行くぞ」


呆れたように言うと、官兵衛はさっさと船に向かって歩き出す。

その後ろ姿を半兵衛は笑って見ていた。



「まぁ…大坂に来てって言ったのは半分本気だったけどね、あんまり俺、時間残ってないみたいだし…ケホ……」


小さな咳をした後、ポツリと呟いた半兵衛の言葉は誰に届くわけでもなく空へと消えていった。




…………………………………………




「、次に大坂に出向く際は共に来てくれますか?」

「え?でも隆景様…良いのですか?」

「はい、気になる事もありますので」

「気になる事、ですか?」

首を傾げるに隆景は笑みを返すだけに留めた。

半兵衛の言動に感じた僅かな違和感。
どこか焦りを含んでいるようにも思えた。


「…次に会った時に分かるといいのですが」


こう言う時の自分の勘はよく当たる。
何事もなければと思いながら隆景は天井を仰いでを抱き締める手に力を込めた。









END

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