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戦国夢想(戦国無双3、戦国無双4)

第17章 朝陽が登る前に口付けを(加藤清正)


俺の布団の中で俺にしがみつくようにして眠る女。
ここ最近の俺の悩みはコレである。


「……またか」


戦場では男に負けず劣らず勇ましく戦うコイツだが、 怖いものが一つあるらしい。

「、おい起きろ、自分の部屋で寝ろって…いつも言ってんだろ」

「ん……清正?」

声を掛けるともぞりと身体をよじる。

「女が男の布団に潜り込むな馬鹿」

「…だって一人で寝るの怖い」


百戦錬磨のコイツの怖いものは一人で眠ること。
一度野営で肩を貸した事がやたら気に入ったらしく、こうして毎夜俺の布団に潜り込んで眠るようになった。


「お前な…俺男だぞ」

「うん…?」

わかってます、みたいな顔で見るなよ。
尚更にタチが悪い。
惚れている女が自分の布団にいる、この殺傷力は計り知れない。


「清正、私がいたら迷惑…?」

「迷惑じゃねぇけど…」


口ごもるとはとんでもないことを言い出した。


「清正が困るなら私、違うところに行く」

「違うところってお前…どこで寝るつもりだよ」


聞き返すと暫く考え込んで、

「あ、三成のとこで寝る」

出した答えに吹き出しそうになった。
布団から出ようとするの腕を慌てて掴む。


「それはもっと駄目だろ、馬鹿…」


何故その答えに行き着くのか、俺は盛大に溜め息をついた。

「だって三成のモフモフ…気持ちいから」

「…はぁ?」

貸してって言うと時々貸してくれるのだと嬉しそうに言うコイツに腹が立ってきた。
大体モフモフって…ありゃあ髪兜だろ!

「とにかく三成のところは駄目だ」

「でも…私寝れない…」

「ここで…ね、寝て良い…//」

「えっ?」

不安げな顔がぱぁっと明るくなる。
そしては起こしていた身体をまた布団の中に潜らせた。

「……何で俺のところなんだ?」

ずっと気になっていた事を投げ掛けてみた。




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