第13章 熱情ストラテジスト(小早川隆景)
部屋に着くなり隆景様は私を思い切り抱き締めた。
「…隆景、さま///」
「先程の話…もう一度聞かせてください」
「先程って…///」
聞かれてしまった告白を思い出してしまう。
「貴女と一緒にいるのは気まぐれではありません」
「!」
「貴女が愛しくて堪らない」
隆景様の熱の籠った視線は私の胸を意図も簡単に貫いた。
素直になっても良いのかな…。
伝えても良いのかな…。
「隆景様…私、お側にいて良いのでしょうか、好きになっても良いのでしょうか…!」
想いと共に涙も溢れてしまう。
「、私も貴女が好きです…仕事に熱心な姿、文学を学ぼうと一生懸命な姿もずっと見てきました」
隆景様が目尻を指でそっと拭ってくれる。
「これからもっと色々な顔を見せて下さい、私の側で…」
小さく頷く私にゆっくりと唇が近付きそのまま重なった。
触れ合う部分からはもう不安は流れ込んでこない。
流れてくるのは優しさと愛情、それから貴方の熱。
「…今日はこのまま此処で朝まで過ごしましょう」
「えぇっ!?///」
「今は一時も離れたくないのです…」
甘えるように私にすり寄る隆景様は初めて見た。
私もこんな風にこれから色々な隆景様を見られるのだとしたら、とても嬉しい。
そう、貴方の一番近くで。
END.