• テキストサイズ

戦国夢想(戦国無双3、戦国無双4)

第40章 無双学園生徒会執行部。『March』(逆ハー)


「…必ず、良かったって思える卒業式にしますね」
「………あぁ、楽しみにしている」

私の言葉に三成先輩は笑って頷いてくれた。

「豊久くん、行こう!」

今までとは違う。
無理して助けてって言わないんじゃない。
頼らずにやり遂げる私を、見守っていて欲しいんだ。

先輩はきっと私のその思いをわかってくれた。

だから頷いてくれたんだ。


大丈夫、それだけで力が湧いてくる。


「会長っ!」

豊久くんと生徒会室へ飛び込む。
そこには眉間に皺を寄せ、いつになく厳しい顔をした隆景くんと腕を組む井伊くんの姿。

「トラブル、なの…?」
「…昨日の夕方に届いている筈の花が届いていません」
「え……?いや、そんな筈は…!」


昨日の夕方、届く花は私達が受け取るからと実行委員の子達に帰宅を促された。
生徒会執行部は明日も忙しいから、前日くらい早く帰って休んで欲しいと。

私だけじゃない、隆景くんや他の二人もそう。

「もしかして……」
「の予想は恐らく当たっています」


実行委員の女の子達が、花を頼んでいない…?

頼んでいないのだとしたら届く筈がない。
もし私達が昨日残っていたらそれが発覚してしまう。

「だから、帰らされたの…?」

私達を労っていたわけじゃない。
バレないように…帰らされたんだ。

「主犯の女二人をさっき報告した、二週間の停学処分だそうだ。まぁ、内申にも響くだろうな」

井伊くんの言葉が頭に入らない。

何故、こんな事…。
そんなの分かりきっている。




私を、この生徒会から排除するためだーーーー。





「なんだよ!それ!畜生…!」
「豊久、怒る気持ちはわかりますが、今はそれどころじゃありません」


隆景くんの言う通りだ。
今は。



「私が、花を集めてくる」



花の責任者は私だ。
最終確認を実行委員に任せず私だけでも残るべきだった。
このままじゃ大事な先輩達の花道に、一片の花もない事になってしまう。
それだけは絶対にダメ…!


「一人の責任ではありません」
「ううん、私だよ。退場の時までに必ず何とかするから!だからそれまでは皆…お願い!」


そう言って私は生徒会室を飛び出した。




/ 193ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp