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戦国夢想(戦国無双3、戦国無双4)

第38章 無双学園生徒会執行部。『January』(逆ハー)


昼休み、私は井伊くんと共に生徒会室の扉の前にいた。
隣にはもう一人。

「まさか付き合いたての貴女がもう別の男性といるとは思いませんでした」
「語弊のある言い方やめて…隆景くん」

久しぶりにお昼をと誘いに来てくれた隆景くんと廊下に出た所でバッタリと会った。
私と一緒にいた井伊くんをじっと見ていたので事情を説明したら同行すると言い出した。


随分と手厚い校内案内ツアーになりそうだ。


「失礼します」

そう言えば今朝はここの掃除を出来てなかった。
放課後に忘れずにやってから帰ろう。
そう思いながら扉を開ける。

「やぁ、待っていたよ」

爽やかな通る声が耳に届く。

「か、会長……!?」

真田会長がいたことに驚いて大きな声を上げてしまう。
そんな私を見て会長はクスリと笑った。

「豊久に優秀な友達が転入してきたと聞いてね、私も話をしてみたくなったんだ」
「優秀な、友達…って」

パッと後ろを振り返る。
朝と同じクールな表情を浮かべた井伊くんが腕を組んで会長を見据えていた。
会長は井伊くんをソファへと座るように促して、井伊くんも素直にそれに従った。

「井伊直政くんと、言ったかな」
「………あぁ」
「豊久の話だと君は成績も優秀、身体能力も高いと聞いた。そこで君に折り入って頼みがある」
「頼み…?」


「すまん、遅くなった」
「直政っ!お待たせ!先輩も!」


扉が開いて、三成先輩と豊久くんが顔を見せた。
その後ろには清正先輩もいる。

「信之、話があるって一体何のだ?」


結局全員集まってしまったみたい。

「清正、ちょうど今話そうとしていた所だ」

自然と井伊くんの座るソファの周りに集まり、皆会長の言葉を待つ。








「井伊直政くん、君を無双学園生徒会執行部へ迎えたい」










「は………?」
「「「……!!??」」」


井伊くんの小さな声の後、声にならない皆の驚きの声が部屋中に広がった。



会長は一体何を言い出したの……!

こ、これはもう…校内案内どころではないんじゃ……。



後で食べようと教室に置いてきたお弁当を思い出して私はガックリと肩を落とした。





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