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戦国夢想(戦国無双3、戦国無双4)

第38章 無双学園生徒会執行部。『January』(逆ハー)


「……寒い」

新しい年が明けて、新学期が始まった。
クリスマスに出した熱はあれからぶり返す事もなく過ごせていた。
はぁっと息を吐けば、たちまち白くなり晴れた寒空に浮かんで消えていく。


北風が吹いて、あまりの寒さに私は肩を竦めた。
真冬の早朝は一気に目が冴える。

もうすぐ学校、と言うところで校門の前に人が立っていることに気が付いた。




遠目からもわかる高い背丈。
黒髪に、エンジ色のマフラー。

違う制服。


こんな早朝にうちの学校に他校生が何の用だろう?

少し警戒しながら、かと言って素通りするのも気が引けて私はその後ろ姿に声を掛けた。
雑務だけど、私生徒会員だし。


「あの、うちの学校に何か…?」
「……」

私の声に気付いた彼が振り返る。
端正でハッキリとした顔立ちから放たれる強い視線に思わずたじろいでしまう。

「アンタ、ここの生徒か」
「そうですけど…」
「いきなりで悪いが、中を案内しろ。職員室へ行きたい」
「は……?」

突然言われた一言に驚きを隠せない。
私の質問の答えに全然なっていないじゃないですか…!

「と、突然そう言われましても…!」
「だから悪いと言っただろう」
「た、確かに言ったけど……」
「ハァ…ダメだダメすぎる、ここの生徒は新参者には冷たく当たるのがきまりか?」
「えっ…新参って…事は、貴方もしかして」


彼の鼻筋に掛かる前髪を北風が揺らす。


「もしかして…て、転入生?」
「…井伊直政だ、早く職員室へ連れて行け」


腑に落ちない部分は多くあったものの、いつまでも此処に居ても寒いし私は素直に彼を校内に連れて行く事にした。

「あぁ、井伊くん。おや、が連れてきてくれたのか。すまなかったね」

職員室へ着いてたまたま担任の先生を見つけたので先生に彼をお願いすることにした。

私は早く朝稽古に行きたいのです。

「ちょうど良かった、彼はうちのクラスに転入なんだ。、このまま校内を案内してやってくれ」
「え?!」
「まだ朝も早くて生徒も少ないし校内も見やすいだろう。始業時間までまだあるしな」
「先生、私部活の朝稽古が…」
「頼むよ、生徒会員さん」

先生にそう言われてはもう断れないじゃないか…!
私はわかりましたと返事をして、職員室を出た後に清正先輩に連絡のメールを入れた。




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