第2章 第二章 禁断 澤村 大地
事の全てを知り、理解した俺は深いため息を漏らした。
大地:ハァー。お前らなぁー。
俺の様子を見て、3人とも笑っている。
スガ:まぁ、でもこれで、長かった片思いも実った事なんだしいいんじゃない?
スガが笑いながら言う。
旭:ホントだよ。近くで見てて、未羽ちゃん可哀想だったぞ!大地。
旭は頬を摩りながら言う。
大地:旭、殴って悪かった…。でも、変な芝居したお前らも少しは悪いんだぞ!
俺は、申し訳と言う気持ちと、少し怒った気持ちが混ざっていた。
旭:俺だって、未羽ちゃんの事好きだったんだから、それぐらいいいだろー
旭がニカっと笑いながらとてつもない事を口走った。
スガ:はぁ?お前もかよ!
スガもつられて口を滑らせる。
大地:お前らぁー、今まで未羽をそんな目で見てたのかー!!
俺の言葉を聞いて、2人は「やばっ!」と言い慌てて走って行った。
追いかけようとした俺の服の袖を掴み、下を向いたまま「まだ返事聞いてないんだけど」と返事を求める未羽。
俺はそれに答える為に、未羽に声を掛ける。
大地:未羽。こっち向いて。
俺の言葉に、素直にこちらを向く。
それを確認してから、そっと未羽に口付ける。
大地:父さん達には内緒な。
俺は未羽の耳元でそう囁いた。
end