第17章 17日目
また黙り込む二宮くん。
「・・・・・・、」
「・・・どうしたの?」
「・・・・・・。」
少し沈黙が続いたあと、
「・・・何でもない。」
何かありそうな声。
でも私は何もないという二宮くんにこれ以上聞くことは出来なかった。
「・・・うん、そっか。」
そう言って腰に回していた腕を伸ばして、よしよしするみたいに頭と背中に持っていくと
「・・・・・・」
二宮くんの体の力が緩んだように感じた。
「・・・ご飯、食べる?」
「・・・もうちょっと、」
「うん、」
こんな風に甘えてくる二宮くんは珍しい。きっと何かあったに違いないけど、二宮くんがこれを望んでいるんなら、もう何があったなんて私が気にすることじゃないと、そう思った。
ただ、私を必要としてくれる、それだけで十分だから。
『 黙ったまま、それだけで 』END.
「眠いでしょ?」
の作ったオムライスを頬張りながら、ソファーに座りうとうとしている彼女に話しかける。
「あ、う、い、いや、だいじょう・・・ぶ」
そう言ってる最終に一瞬天に召されました。
カクンと首が下がりその衝撃でハッとしたのか目を覚ます彼女に笑ってしまった。
「先に寝てなよ。」
「うんん、大丈夫!・・・おいしい?」
「ん、うまい。」
「よ、かっ・・・」
なんでそんなに頑張ってんの。また笑いが出た。
ソファーに座るが
パジャマ姿でシャンプーの匂いを漂わせる。
あーあ、早く抱きつきたい。
そう思って急いでオムライスを食べ終わる。
久しぶりに色々へこむ事があって、そういうのは人には見せられないタイプなんで、正直の前であんな風になったのには自分でも驚いた。
何も聞かずにただ傍にいてくれる子なんて初めてだ。の横に座って、夢見心地で幸せそうに目を瞑る彼女に「ありがとう」と頭にキスをした。
こんなに人を愛おしいと思ったことがあるだろうか。始めて、自分が家庭を持つことに、結婚に、希望が見えた出来事だった。