第12章 12日目
「…嫌じゃ、ない。」
なんだ、全然嫌じゃない、むしろ私はの言う「二宮くん」を気に入ってる。
「よ、よかったあ…」
安心するが用事もないのに二宮くん、と呼ぶ。なあに、と返事をしたら
笑ってまた
「二宮くん」とか言ったから
「…うるさい、」と冷たく言ってやった。
名前を呼ばれただけなのに嬉しくなるなんて、絶対には教えてあげない。結局今日と何も変わらずに明日を迎えていく私たち。
居心地がいいって、こういうことなのかもしれない。
『 案外今がベストです 』END.
私は最近、松本さんのことを潤くんと呼ぶようだ。実は松本さんだけじゃない、この間、櫻井さんのことを翔ちゃんと呼んでしまった。一度も会ったことなんて、ないのに。
これもみな、二宮くんからうつったんだ。そう思ったら、二宮くんに指摘された時、恥ずかしくなって笑ってしまった。バレてないよね?うつってること。
これからも一緒にいたら段々話し方とかまで似てきちゃうのかなあ、なんて考えたら、ニヤニヤが止まらなくて二宮くんから「気持ち悪い」と言われた。
それすらも嬉しく思う私は幸せのせいで馬鹿になっているに違いない。つまりこれは二宮くんのせいってことで、なんて言ったら「それなら許す」と笑ってくれた。二宮くんも十分バカだと思う。