第11章 11日目
「二宮くん、井上真央ちゃんって可愛いねえ、」
「うん、そおねえ。・・・て、なんすか急に。」
「あ、いや今日ね?会社で花男の話になって、」
ああ、Jね、と相槌を打つ。
「井上さんが・・・可愛くて・・・もうっ、」
「、きもいー」
・・・う、うるさいです。
「そういえば、二宮くん共演あるよね?」
「うん、いつだったかなぁ、3年前くらい?」
スペシャル番組の夫婦役。実はその話題も出てきた。
松本さんと真央ちゃんは花男でしっくりくるイメージだったけど、二宮くんと真央ちゃんの夫婦役もほんわかしてて凄く良かった、という話。
「・・・ほんわか、かあ。」
「え?なんです?」
「うーん、」
2人が目を合わせて笑う姿を想像した。お似合いだ、お似合いすぎる。なんだこれ、自分から振った話題なのにモヤモヤするぞ。
「二宮くんはさぁ、女優さんとお食事とか行カナインデスカ。」
あ、なんか最後の方が棒読みで適当になった。
「ねえ、それホントに聞きたいテンションなの?」
「うーん、・・・聞きたいような?聞いてしまったら答えによっては落ち込むような・・・?」
「ねえ、独り言が丸聞こえだよ?恥ずかしくないの?」
・・・独り言じゃありません、会話です、会話。
「そりゃあ、行くよね、打ち上げとかね?お疲れ様ー、夫婦役なんてやったら、ほんとに夫婦になっちゃいそう(はーと)、とか言っちゃうよね?」
「おい、馬鹿」
「も、もはや馬鹿ていう部類!?」
「あ、ごめん、あまりにも逝っちゃってたから、引き戻したい優しさで。」
「あ、ただいま戻りました、」
「うん、おかえり。」
こう、普通のカップルだとあの人可愛いねー、綺麗だねー、うふふー、とかで終わることだろうけど。
そんな綺麗な人たちが周りにいる中お仕事して、いつでも会える環境で、そんなの、私だって
「妬いてんの?」
「え!」
「違うの?」
「う、」
「え、とかう、とか何。」
「・・・しゅん、」
「へこむな、そんなことでへこむな、そして妬くな。」
そんなこと言われましても・・・
妬きますよ、だって二宮くんだもん、そりゃ妬くよ。