第9章 9日目
初めてあがる二宮くんの部屋。とてもスッキリしていてあまり生活感が無かった。印象は、テレビがいっぱいある独特の部屋。
「お、お邪魔します・・・。」
二宮くんに会うのはこれで2回目、久しぶりに見る彼はまさかの半袖半ズボンの家着。
「あ、買ってきてくれたんだ。」
「は、はい、・・・風邪、ですか?」
「んーたぶん、今熱計ってる。」
脇に挟んだ体温計がピピピっとお知らせの合図を出す。
・・・38度1ブ!
「じゅ、十分熱じゃないですか!」
「あ、やっぱり?なんかキツイと思った。」
寝てください、とベットに促す。あの二宮くんもさずがにキツいみたいで素直に従ってくれた。
冷えピタを渡すと、無言でおでこに貼る二宮くん。貼り終わると、これでいい?と確認するように私を見る。
「バッチリです。」
と人差し指と親指で丸を作り、オッケイのポーズで頷いた。
「ゼリー、食べますか?」
買ってきたスーパーの袋をガサガサさせて聞いた。
「いらない、が欲しい。」
思いもよらない言葉に、取り出したゼリーを勢いよく床に落とした。
みかんゼリー、ごめんなさい。
グイっと右腕を引っ張られ、私の体は二宮くんの体に預けられる。
「俺のこと、欲しくなんない?」