第1章 1日目
喋りながらも手を休めずに食事を続ける二宮くんが、最後のひと切れを口にした。
「・・・はい?」
「こんな普通の料理なんて、他の男に食べさせないで下さいね。」
え?他の、男・・・?
二宮くん、それって?
私がポカンと見つめて何も言えないでいると、ぶっきらぼうに言葉を続ける。
「・・・聞いてます?」
またあの上目遣いで私を見る。
あーあーあーあー
心臓が止まりそうです。
「・・・き、聞こえなかったので、
もう一度細かい説明と共にお願・・」
「もう言わない。」
ふふっ、とふんわり笑った彼が「普通」と言ったハンバーグは、綺麗に完食されていた。
『 言葉よりも行動で 』END.